そんな話をしていた時だった。
ガラッとノックもなく音を立てて、私の病室のドアが開いた。



「……想世架?」


「ち、千暁……!?」



そこにいたのは、制服姿の千暁。
あれ、どうしてここに…?
なんで…?

ぐるぐると、疑問ばかりが頭の中に走り回る。
言いたいことは沢山あるのに、言葉にならない。


ただ、分かるのは……直央くんが驚いた顔をしていることと。
千暁が直央くんを睨みつけていることだけ。



「どうしてここに…?」


「最近、ほとんどお前と話せなかったから。
時間が空いたから来たんだけど。
誰、その男。」



聞いたこともない、冷たい声。
怖い……。
私に向けられる瞳だって、冷たい。

人に、こんな目を向けられることなんてなかったから…怖くて、声が出ない。



「お、お友達…なの。
最近知り合って…直央、くんっていうんだ…。」


「ふうん。
オトモダチ、ねぇ……。」



なんとか紡いだ言葉だったけれど、千暁にとったらそんなもの意味はなくて。
品定めをするかのように、直央くんを見ていた。