「それでね、紅葉がすっごく綺麗で…。」


「良かったわねぇ…。」



夕飯を終えて、今日あったことをママに色々と話していたら。


ふと、ママが私の顔をじっと見ていることに気がついた。



「…?どうかした?」


「ううん。
そよが楽しそうだなぁって。
生き生きしてるわ。」


「楽しかったもん!」


「来年は、ママとも一緒に紅葉狩り行ってくれる?」


「…もちろん。」



生きていれば、なんて…思ったけど。


生きる、って決めたから。


来年も再来年も、ずっと生き続けるって決めたんだから。


大丈夫だよ。


私には、千暁がいる。


死なせない、ってあんなに真っ直ぐ見つめてくれた千暁。


…千暁のお母さんのようにはならない。