「お袋みたいに…いなくなるな。
俺の隣にずっといて。」


「……っ…。」



"ずっと一緒にいて"


他の人にしたら、簡単な言葉かもしれないけど…私には難しい。


一緒になんて…いられない。


いつ死ぬか分からないのに……。



「俺から離れるな。
俺の目の前からいなくなるな。
俺だけ見て、ずっと…俺の傍にいて。
…お願いだ。」


「……冷泉、くん…。」



ごめんなさい。


そのお約束には…返事は出来ない。


ずっと一緒にいるよ、って笑って言ってあげられない。


軽率に言える言葉じゃない。



「……っ…何言ってるの…っ…!
大丈夫だよ…!」



……卑怯な私は。


中途半端な言葉だけを、笑って投げた。