医学部に行くと決めたその日から、俺は勉強に勤しんだ。


親父から教わることも何度かあるし…元々、勉強は嫌いじゃない。


合間を縫っては、想世架の見舞いにも行き…そこで勉強することもしばしば。



想世架に医者になることを伝えたら…泣きながら、喜んでくれた。



きっと、冷泉くんならなれるよ。


私も応援してるからね!



……そう笑いながら、悲しそうな顔を一瞬見せたのは…忘れられない。



「冷泉くん、勉強…大変?」


「……まぁな。」



気がつくと、季節が流れるのは早くて…桜紅葉が顔を見せ始めていた。


体調の良い想世架を連れて、病院の近くの丘まで来るのが最近の日課。