ー千暁sideー



想世架が倒れた。


俺の携帯に連絡が入ったのは、宇都宮からだった。


…まだ、目が覚めていないことも。



目が覚めていなくても、俺は想世架がいる病院へと毎日足を運んだ。



「……冷泉くん…?」



今日も、想世架に会いに行こうと病室の前まで行くと。


…ちょうど、想世架のご両親が出てきた。



「想世架は!?」


「……あなた…。」



想世架の母親が真っ赤な目をして、隣で寄り添う父親に視線を向けた。



…なんだよ…。


なんで、こんなに…。



「冷泉くんも一緒に来なさい。
…九条先生、彼も同席をお願いします。」


「分かりました。…こちらへ。」



なにがあったんだよ…?


わけが分からないまま、俺はついて行くしかなかった。