「……嘘は、やめようか。」


「…!」


「想世架。
パパに正直に教えてほしい。」



私の手を握って、まっすぐ私を見つめてくるパパ。


その目が真っ直ぐすぎて…思わず、目を逸らした。



「なにか、思ってることがあるんだね?」


「……歩きたい…。」



言うつもりなんてなかったのに。


口を開くと、次々と言葉が出てきた。



「…私、外を歩きたい…。
自分の足で立って、歩きたい…。」


「そよ…。」


「可愛いサンダルを履いて歩きたい…。
オシャレなお洋服きて、街の中を歩いてみたいの…!」



ほら…パパが困った顔してる。


…こうさせたのは…誰でもない、私だ。



「…でも、難しいのも分かってるよ。
私の身体が、リハビリに追いつかないの知ってるよ。」 



リハビリをしてたら、発作が起こったことだって何度となくある。


その発作が大きくて、死にかけたことだってある…ってママが言ってた。


だから、リハビリしたいなんて言ったらママはきっと、ヒステリックに怒ると思う。