「そよを健康で…元気な女の子に産んであげられなくて…ごめんね。
…でも、どんなそよだって…ママは大好きよ。
大好きで大事なママの子どもだわ…。」



ママが声を震わせて、私を抱きしめる。


…ママが泣いてる…。


泣かないでって言いたいのに、頭が熱で回らなくて…声が出ない。



「…っ…また、泣いちゃった……。
そよに見られたら、笑われちゃう。」



ふふっ…と微笑んでから、ママの気配が消えた。


きっと…リビングに戻ったんだ…。



なんて考えてるうちに、私の意識は闇の中に溶け込んでいった。




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再び目を覚ますと、既に外は真っ暗で…枕元には、薬とお粥の入った土鍋が置かれていた。



「ん…。」



寝たおかげで、だいぶ楽になった身体を起こして。


お粥をお茶碗を移して、口に運んだ。



「……美味しい…。」



ふわふわ卵と椎茸と、ほうれん草が入ったママの手作りお粥。


どんなに体調が悪くても、これだけは食べられる。