ふわふわして、意識がおぼつかない中。


しばらくすると、往診の先生が家まで来てくれて私を診てくれた。


ママのお友達の先生で…近くに、小さな個人病院を開いてるんだって。


家で倒れると、よく来てくれる…。



「安静にしていれば大丈夫だよ。」



と、先生は言うと帰って行った。



なんだか、早退したいと学校で思ったのは熱があったからだったんだ。


冷泉くんの好きな人が紗綾だって、事実でショックを受けたからだけじゃ…なかった。



…無意識のうちに、私の身体は…体調が悪いことに気がついていたんだ…。



「そよ…。」



先生をお見送りしたママが、また部屋に戻ってきた。


私が寝てると思ってるのか、私の頭を撫でて話しかけてくる。



「…ごめんなさいね…。
こんな身体に産んでしまって…。」



ママ…。


ママのせいじゃないよ。


私ね、こんな身体でもママのこと…恨んだことなんて一度もないよ。