杏と別れたあの日…想世架が好きだと気がついた日から。


俺は、今まで以上に想世架のことばかり考えていて。


…想世架は、俺のことをどう思ってるんだろう。



それが気になった俺は…最低だけど、想世架にカマをかけた。


好きな人がいるから、協力してほしいと。


…想世架は、笑って協力すると言ってくれた。


俺のことは、好きじゃねぇのか…。


そう思ったら、なんだか…悲しくなってきて。


同時に、俺にこんな感情があったんだって…気がついた。



「ねぇ、にしても想世架遅くない?
どうしたの?」


「私、探しに行ってこようか?
もしかしたら…どこかで倒れてるかも!」



ふと、クラスに耳を傾けると…宇都宮たちの会話が聞こえる。


ガタンッと音を立てて宇都宮が立ち上がった時、芹ちゃんが入ってきた。


真っ先に、想世架の席に行くとあいつの荷物をまとめ始める。



「先生、想世架は?」


「早退するって。
顔色があんまり良くなかったみたいだし…これからお母さんがお迎えに来て、病院に行くそうだよ。」


「そうなんだ……。」



想世架…体調悪かったのか?


悲しそうに見えたのは…体調が悪くて辛かったから…?


……悪いことしたな。


後で、メールの1本でも入れておこう。