自分でも気がつかないうちに、想世架に一目惚れしていた。


想世架が好きで…たまらなく好きで。


想世架が学校に来て、隣の席は俺じゃなくて…春日井で。


それが妙にイラついたのは、嫉妬。


想世架の隣にいられる春日井が羨ましくて…妬ましかったんだ。



「…杏、俺……」


「言わないで!!」


「……!」



杏が今まで聞いたことのない、大声を上げた。


…その時に、気がついた。


杏……泣いてる…。


俺が泣かしたんだよな……。



「知ってる、知ってるよ。
全部…分かってる。」


「……。」


「だって、私…1番近くで、千暁のこと…見てきたんだもん!!」


「……!」



杏の大きな目から、ぽろぽろ涙が落ちて…地面を濡らしていく。


夕焼けに反射して、キラキラと落ちていく様は…綺麗で…見てて辛かった。