でも、その恋は報われない。


好きな人の好きな子は、私の大事な友達。


……それも、私なんか敵わない子。


優しくて、可愛くて、凛としていて、強くて…私とは正反対な子。


私は、周りに迷惑ばっかりかけて頼りなくて…ダメダメで。



「……もうやだ…。」



紗綾の顔が、見れないよ…。


どんな顔して会えばいいの?話せばいいの?


…無理だよ…。



ーー午後の授業を受けれる気にもなれなくなった私は、初めて…早退した。


保健室に行くと、保険室の先生が私のことを知ってたから。


無理しないで、って言われてすぐに帰してもらえた。



「そよ!!
身体は大丈夫なの!?」


「……うん…。」


「今から病院行きましょ!
九条先生いらっしゃるかしら…。」


「…大丈夫だよ…。
寝てれば、良くなるから…。」


「そよ…。」



迎えに来てくれたママにそれだけ言うと、私は車の中で眠りについた。