幼い頃からずっと戦士の道をまっしぐらで、女の子らしいオシャレなんて無縁だった私。
動く際にジャマだったから、ずっと髪を伸ばす事なく、少しでも伸びたら切って切って…。
まるで男の子みたいだった。


……でも。

「ライカだって似合うよ、絶対。
その黒髪だって、せっかく綺麗なのに勿体無い。」

旅先の町で、女の子用の可愛い服を拒んだ私に、エルトはそう言ってくれた。


優しい、エルトの言葉。
真に受けて、それから今日まで伸ばし続けた髪。
単純、だよね?


…けど。
多分、私はそう言ってくれたのがエルトだったから…。信じられた。

胸が弾んで、嬉しくて…。
ほんの少し涙が出そうになった、あの気持ち。


……エルト。
私は、あの時から…貴方が好きだったわ。