ヘラヘラと笑って、いつもみたいな調子で接すると、エルトはフッと微笑って私の隣にゆっくりと腰を降ろした。


心臓がドキンッと跳ねる。

微妙に近い互いの距離。
少し、ほんの少し動けば肩や腕が触れてしまいそうだ。


焚き火を前にして、二人で肩を並べて火の番をする。
一緒に旅を始めてから、野宿をする度に当たり前だった事。

……でも。
それも、最後。今回で、最後なんだ。

明日の最終決戦が無事に終わって、世界に平和を取り戻したら…。この旅も終わり。
エルトは英雄になって、光の国のお姫様と結婚する事が決まっているのだから。


……。

焚き火の中に薪を入れながら、さり気なくチラッと隣のエルトを見た。

焚き火の炎に照らされて、金色の髪は薄っすらオレンジ色に染まっているように見えて…本当に綺麗。

明日の事でも考えてるのかな?
目の前の焚き火を見つめる、エルトの真っ直ぐな青い瞳。