帰れなくなる。そんな恐怖が私を包み込んだ。

こわい、こわい、こわい。

パニックになりやすく、ふらっ、と倒れた先は、

幸太くんがいて。

『大丈夫?どうした?』

『お母さんとはぐれて、どうしよう……』

涙が溢れる私に寄り添い背中を摩ってくれる幸太くん。

『大丈夫大丈夫。俺の携帯でお母さん呼んであげるから、』

携帯を貸してくれて、電話して、お母さんが来て、

それを泣いている私はぼーっと見てるしかなかった。