せんせい。

「せんせー!なにみてんの?」

さっき授業をした生徒に声をかけられた。

「あぁ。なんもないよ。ところで何か質問か?えっとー宮西。」

「先生ひどっ。私は宮西じゃなくて宮内ですよ。」

「あっ。ごめんごめん。まだ皆の名前覚えきれてなくて。どした?」

「んーん。何か先生がボーッと突っ立ってたからどうしたんかなーと思って声かけただけ。」

「ようそんなん気づいたな。」

「当たり前ですよ。私毎日加藤先生しか見てないんで。じゃもうボーッとしてちゃだめですよ!そのうち事故りますよー。」

宮内はそう言って去っていった。