葬式には親戚が集められ、一通り葬儀が終わると、叔母さんの娘をどうするかと言う話し合いに発展した。

そこで、俺は大人たちの汚いところを見ることになった。

「あの子は前から気味が悪くて……」
「私も引き取れないわ」
「経済的にも……ね?」

叔母さんの娘と言うことは俺にとって従姉妹になる。
叔母さん自体がこの家から疎まれていることを知っていた俺は、周りからそういわれても仕方がないとは思っていた。
けれど、葬儀が終わって、母を亡くしたばかりの従姉妹の前で聞こえるように話し合うのはおかしいと、気が付いたら立ち上がって、従姉妹の耳を塞いでいた。

「おにぃちゃん?」

小さいころに遊んだだけの従姉妹だったが、放っておけなくて、こんな汚い大人たちに渡るなら、いっそ俺が引き取ろうとも考えた。

「止めよ。皆の衆。クルメの前だぞ」

祖母の一喝でシンと静まり、俺の考えを見透かしたかのように「秋人。なにかあるなら申してみぃ」と話しを振ってきた。