二人だけの秘密

「嘘だ………」

僕は、美希さんの説明を信じられなかった。信じたくなかった。両親が僕を助けてくれるなんて信じられなかった。まだ、なにか僕は悪い夢を見てるんじゃないかそんな気持ちだった。

「嘘だ」

僕はもう一度、同じ言葉を繰り返して言った。

「残念ながら、嘘ではありません」

美希さんは、真剣な顔ではっきりと否定した。彼女の黒目がちの瞳が、儚く揺れている。

「じゃぁ、美希さんは?美希さんだって、誰かに助けてもらっているかもしれ………」

「私は、ダメでした」

短く言い切った彼女の冷たい声音を聞いて、僕の胸が苦しくなった。

「それに母親も病気で亡くなっていたから、大学生の兄が見つけたときにはすでに私は死んでました」

悲しく笑いながら言う美希さんの瞳から、涙がぽろぽろと流れ出す。


僕と美希さんは、同じ死に方をした。でも、結末は違った。

一生懸命努力し、仕事も勉強もがんばっていた美希さんは死に、今まで何も努力をしてこなかった僕は生きた。