二人だけの秘密

「もし、生きていたら、もう自殺なんかしないと約束してくれますか?」

「美希さん、僕は死んだんだよ。もしとか、もうないよ」

「もし、生きていたら、私の分まで幸せになってくれますか?」

「美希さん………」

突然、彼女と話が噛み合わなくなった。

美希さんは今の表情を見られたくないのか、横を向いて同じ質問を繰り返している。僕の瞳に、彼女の横顔が映る。

「もし、生きていたら………」

「美希さん!」

辛そうに同じ質問を続ける美希さんを止めようと思ったが、

「えっ!」

僕の伸ばした右手が、彼女の体をすり抜けた。

ーーーーーーどういうことーーーーーー?

僕は目を丸くしたまま、しばらく固まった。そして、自分の両手に視線を落とす。動かしても特に変わった様子はなく、見慣れた自分の手が瞳に映る。