「うれしい。私、このときをずっと待ってたんだよ」

ぽろぽろと涙を流しながら、友梨が嬉しそうな声を上げた。

「俺も、友梨と二人になれるときをずっと待ってたんだぜ」

裕也が頬を赤らめながら、友梨を見つめる。

ーーーーーーなに言ってんだ、こいつら。うれしい?このときをずっと待ってた?美希さんの死に、悲しんで泣いてるんじゃなかったのか?

僕は微かに開いてる教室のドアから、二人の姿を見た。しかし、二人から悲しんでいる様子は見られなかった。あの友梨の涙も、うれしく見える。

ーーーーーーどういうことだ?

僕の額から、冷たい汗が流れた。