「………」

今、優しくされると、泣きそうになる。それが精神的に弱ってると、余計に涙が溢れる。

「大丈夫よ、お兄ちゃん。学校は秋ぐらいから行く予定だし、仕事も後少しぐらい続ける予定」

涙を拭って、私はにかっと笑って見せた。

「そうか?でも、あまり無理すんなよ。じゃ俺、大学行って来るから」

心配そうな表情を浮かべたまま、兄は外に出かけた。

「………」

兄が大学に出かけたと同時に、一人マンションの一室に取り残された、私。兄はあんな優しいことを言っていたが、週三のバイトでは残りの学費を払うことは難しい。それを知っている私は、「もう少し、仕事しなくては………」と、呟いた。