教室を出ても、グイグイ手を引っ張ってくりカナタ。


『ちょ、カナタ、手…もういいんじゃない…?』


「手…?
あぁ、ごめん」


驚いたような表情でパッと手を離してくれた。


「あまりにもあいつらにムカついて、体が勝手に動いちまった。ごめんな。」


いつもより優しくて…なんかちょっと違うカナタ。


『助けてくれてありがと。』


すると、ふわっとカナタの暖かさに包まれた。


「無事でよかった…」


だ、抱きしめられてる!?


『か、カナタ!?
いきなりどうしたの!?』


「心配だったんだよ。

教室のぞいたら、お前いじめられてるし。
あいつへの告白の返事とか…」


『だ、大丈夫だから!』


「大丈夫じゃなかったじゃん。」


『ま、まぁね…』


「よし!」


カナタは何か思いついたかのような表情で、こちらを見てくる。


『なに…?』


「よし。お前、今日から俺から離れるな。授業中はクラス違うし、仕方ないけど、他の時は離れるな。」


『はい…?』


「見てて危なっかしいから。
約束だぞ。」


『えぇ…』


やだなぁ…
自由がいいよぉぉぉ


「約束だぞ!!!」

『は、はい…』


守ってくれる人(?)になったのに、結局カナタは俺様なままでした。