『もう嫌だ』

泣きそうになった時、いきなり教室のドアが開いた。

「おい!何やってんだろお前ら!
ミカに何してんだよ!!」


そこには、カナタがいた。


『か…なた?』


「大丈夫か?立てるか?」


私のひっくり返された荷物を拾いながら、優しく聞いてくれる。


『大丈夫…ありがと…グスン』


「ほら、泣くなよ。ちょっと教室出るぞ。来い」


私の手をぐいっと引っ張りながら、スタスタと教室を出て行くカナタ。


ヒソヒソとざわめく教室。


すると、カナタがクルッと振り返って、こう言った


「お前ら、もしまたミカいじめたら…
次はねぇからな?

あ、それとタクトくん。
ミカのこと好きとか言っといて、守れないんだから、振られて当然だと思うぜ。


ほら、ミカ、行くぞ。」


『う、うん…』


嫌な空気の教室を、カナタに引っ張られながら後にしたのだった。