「ここなら大丈夫だろ。」


そう言ってカナタが連れてきてくれたのは屋上だった。


『な、なんでこんなとこに?』


「俺が来たかったから。
 なんか問題あるか?」

いやいや、ありすぎでしょ…

『私を連れてくる必要なかったんじゃない?』


すると、カナタは小さな声でこうつぶやいた。

「だって、お前が心配だったから…」


え?

カナタが私のこと心配してたって言った?

『あ、ありがと…』

「うっせぇよ…」

カナタは下を向いていたからイマイチ表情はわからなかったけど、耳まで真っ赤にしてた。


『かわいすぎ…』


「黙っとけ、あほ」

そう言ってコツンと殴られたおでこは

痛さと、優しさが感じられたのだった。