「でも私今までしゃべったこともないし、よく知らないのに、付き合うっていいのかな?」



「何言ってんの?当然じゃん!それにあの降矢君だよ?女子のほとんどが付き合いたいと思っている降矢君だよ?もったいないって!!」


「う、うん…。」


当たり前でしょ!?と言わんばかりに話す叶絵。



「言っておくけど、超羨ましい。あたしの彼氏と取っ替えたいくらい」


「ええ!?」



「ふふっ。冗談よ!私彼氏とラブラブだし!まぁ、とりあえず付き合ってみたら?今日中に電話してあげた方がいいよ!降矢君不安だろうから!」



叶絵からのアドバイスに一瞬ドキッとし、また少しずつ心臓がざわつきだした。



「うん、家に帰ったら電話かけてみるよ。」



「そうしたげな!じゃあごめん、そろそろ彼氏と待ち合わせしてるから!またねみく!」


「うん!またね叶絵!ありがとう!」



私がそう言うと、手を振りながら叶絵は本屋を出た。



私も家に帰ろう。



そして、降矢君に連絡しなくちゃ。



立ち読みしていた雑誌を棚に戻し、本屋をあとにした。



家に帰りながら、でも何で降矢君は私を選んでくれたんだろう?
降矢君ならもっと他にふさわしい子がいるのに。
叶絵だって美人でモテる。

…なんで私なんだろう?


私をかわいいと思っていた、という降矢君の言葉を思い出し、どこが?とか思ったり…



そんなことを考えながら家路に着いた。