「早くあひるボート行こっ」
「ちょ……!」
またもや手を引かれて歩き出す。
けど、さっきと一つ違うのは、手の繋ぎ方が恋人繋ぎってこと。
「ステップアップ!」
私の思ってる事が分かったのか、わざわざ繋いだ手を目の前へ掲げた蓮人にまた顔が火照りだす。
そこからはもう蓮人のされるがままで。
最初からもちろんそうなんだけど、更にヒートアップしていく。
あひるボート乗り場に着いた蓮人は、先にボートに乗り込んで私をそれはそれはどっかの国の王子様のようにエスコートしてくれた。
「奈々子、見て!よく分かんない鳥がいる!」
「よく分かんない鳥って……蓮人、あれカモだと思うよ?」
「えーカモってあんなんだっけ?」
「たぶん……」
「多分って!奈々子も分かってないじゃん!」
傍から見ればきっとカップルがイチャついてるようにしか見えないだろう。
当人である私もこの状況に段々慣れてきて、本当に蓮人と恋人同士になった気になっていた。


