どうにか教卓までたどり着いて箱の前に立つと、その箱からは異様な雰囲気が感じられた。


中にクラスメートたちの殺意が入っているのだと思うと、なかなか手を伸ばすことができない。


「どうしたぁ? 早く箱を開けないかぁ!?」


先生にそう言われて、あたしはビクリと肩を震わせた。


箱に手を伸ばし、上部の蓋を開ける。


中に入っている投票用紙にゴクリと唾を飲みこんだ。


今回は誰が殺す側になるんだろう。


相手は星夜と和だから、男子に投票が集まっているかもしれない。


けれど、映像上の被害者は女子生徒だけだった。


自分が投票されている可能性も十分にあった。


そう思いながら、ゆっくりと投票用紙を取り出した。


小さな紙を開いていく。


『彩』と書かれた文字を見て、ホッと安堵のため息を吐き出した。


自分じゃなかったことに安心してしまった自分に、嫌悪感を抱く。