「優衣!!」


そんな声が聞こえてきてハッと振り向いた。


そこに立っていたのは大和だった。


あたしを追いかけてきてくれたようだ。


「大和……」


大和の顔を見た瞬間、目の奥がジワリと熱くなってきた。


視界が歪み、次々と涙が浮かんでくる。


「優衣、みんな心配してるから」


そう言い、大和があたしの体を抱きしめてくれた。


大きくて暖かな両手。


ずっと前から知っているそれは、すごく安心できる存在に成長していた。


「ごめん……。勝手に教室を出たりしたら、みんな心配するよね」


あたしはそう言い、涙をぬぐった。


泣いたことで少し気分が落ち着いたみたいだ。