それなのに、まるで全然知らない人たちのように見えていた。


「ごめん。ちょっと気分が悪いから」


あたしは誰ともなくそう言い、教室を出た。


少しでも気分を変えたかった。


血まみれだった廊下をぬけて、一階へと移動する。


そのまま生徒玄関へと移動した。


扉を開けてみようとするが、やはりびくともしない。


傘の柄で思いっきり叩いてみても、ガンッ!と大きな音が響くだけで割れる事はなかった。


「なんで出られないの」


そう呟き、何度も何度も拳で扉を殴りつけた。


あたしたちだけが隔離された校舎。


空から来た悪いものはどうしてあたしたちを標的にしたんだろう。