「それって、投票を放棄するってことだろ。そんな事をしたら全員死ぬぞ。それに、俺は映像を見ることも賛成する。なにもない状態で誰かを殺す投票なんて、絶対にできない」


和の言う通りだと、自分でも理解していた。


次々と死んでいく生徒を目の当たりにしても、あたしたちはなにもできずにいるのだ。


雨が上がるのを待つことも、映像を見ずに投票を進めることも、難しい。


「あたしはこれ以上みんなの醜い素顔を見たくない……」


里子が泣きながらそう訴えた。


「俺だって同じだ。だけど、今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ」


そう言ったのは晴哉だった。


「ごめん。俺もそう思う」


大和が晴哉の意見に賛同し、里子はうつむいてしまった。


あたしはさっきから息苦しさを感じていた。


この教室内にいるのはよく知っている生徒たちだ。


幼い頃からこの島でずっと一緒に生きて来た子たちだ。