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サツキの遺体は裕司と和の2人が空き教室に運んでくれた。


廊下を掃除している間、あたしたちは無言のままだった。


こんな結果が許されるなら、損をするだけの生徒がでてきてしまうということだ。


サツキのように傷つき、この場でも負けてしまう生徒。


そう思うと歯がゆくて、あたしは奥歯を噛みしめた。


教室へ戻ると先生が映像を準備している所だった。


「やめてください」


とても小さな声が聞こえて来た。


見ると、里子が震えながらその場に立ち上がっていた。


「近藤、発言はハッキリしないかぁ!」


先生の言葉に里子が大きく息を吸い込んだ。


「やめてください!! あたしは、もう何も見たくないです……」


最後の方は消え入りそうな声だった。