「は? なに言ってんの?」


あたしは唖然として聞き返した。


元はと言えばサツキか裕司で投票が別れていたのだ。


今回は裕司が真っ先に手伝うべきだった。


「だって俺……サツキの事、別に好きじゃなかった」


裕司の言葉に誰もが愕然としていた。


この状況で一体何を言い出すのか。


「ラブレターを貰っても断るつもりだった! サツキがいなけりゃ彩だって俺に興味なんて持たなかったんだよ! そうすれば、こんなことに巻き込まれることだって――!」


途中までそう言った裕司の頬を梨央が叩いていた。


「そんな言い訳して逃げるなんて最低」


梨央は一言そう言うと、教室を出て行ったのだった。