それから十分ほど経った時、全員の投票が終っていた。


今回は大和が教卓の前に立って票を確認していた。


彩10票。


裕司1票だ。


裕司に入れたのは彩だろう。


せめてもの抵抗を見せたということだ。


「今回は早く決まって先生は嬉しい! お前らもやればできるんじゃないか!!」


そう言って1人で大きな拍手をする先生。


生徒たちはみんな無言だった。


こんなにスムーズに投票が決まってしまうことも、恐ろしく感じられる。