サツキ6票。


裕司5票。


その結果にサツキがハッと息を飲んだ。


彩はサツキに投票したのだ。


話し合いではどちらが殺すかを決める事ができなかった。


丁度サツキと裕司が半々になる数字で話し合いはとん挫していたのだ。


彩はサツキと裕司以外の誰かに投票して、票はドローになると思っていた。


そうなればジャンケンか何かで決める事になって、選ばれた方も諦めがつく予定だった。


「サツキが相手なら逃げ切れるかもしれないからだ」


大和が小さな声でそう言った。


女同士なら力だって互角になるかもしれない。


彩は勝利するためにサツキを選んだのだ。


その精神力に思わず寒気を感じてしまった。


次の投票で必ず自分が選ばれるという、覚悟ができている証拠だった。


彩は覚悟を決めるために一旦教室を出て1人になったのかもしれない。