今度は女子生徒だ。


サツキの姿だった。


サツキは裕司へと近づいて行き、白い便箋を手渡して逃げるように教室を出た。


誰がどう見ても、告白風景だった。


1人教室に残された裕司はぼんやりと便箋を見つめている。


「ごめん、聞いちゃった」


モニターの中にそんな声が聞こえてきて、教室後方のドアが開いた。


裕司が視線を向ける。


そこにいたのは彩だった。


彩クラス1の美人で、その顔にはほほ笑みを浮かべている。


裕司は咄嗟に手紙をポケットに隠している。


「裕司って案外モテるんだ?」


そう言いながら彩は裕司へ近づいていく。


「いや、そんなことは……」