「大和はほんとに女の子みたいだね」


大和の日焼けをしない肌と大きな目とフワフワの髪の毛を見て里子はため息交じりにそう言った。


女子からみても大和は可愛いと思う。


「またその話かよ」


大和はムッとしたように里子を睨み付けた。


生まれた時からちゃんとした男である大和は女っぽいと言われることに敏感だった。


それが嫌で、最近では筋トレまで始めたらしい。


白い肌はほどよく筋肉がついていて、ドキッとしてしまう。


男の子なんだなって、再確認してしまう。


ドキドキしながら昇降口へとたどりつくと、里子が肘であたしをつついて来た。


ニヤニヤといやらしい笑顔を浮かべている。


里子はあたしの気持ちに完全に気が付いているようだ。


それでもあたしは何も気が付いていないフリをして、里子から視線を逸らせた。