机をなぎ倒しながら教室を出る。


梨央がすぐにその後を追いかけた。


けれど梨央はまだ武器を手にしていない。


そのまま追いついても意味がない。


そう思い、あたしは咄嗟に教室を出て2人の様子を見守っていた。


廊下で悠が足を絡ませてころんでしまった。


梨央が追い付き、悠の体の上に馬乗りになった。


悠が抵抗し下から梨央に殴りかかろうとした……その時だった。


いつの間にか教室を出ていた裕司がその手を掴んだのだ。


「頼むから、大人しくしててくれ!!」


青ざめた顔でそう言う裕司。


悠は唖然とした表情で裕司を見上げていた。