「小林はいい子だなぁ。とっても優しい。だけどな、誰かを殺さなきゃ自分が死ぬってなると、どうする?」


そう言って、先生は廊下で倒れているネネを指さした。


梨央の表情が硬直し、ひきつった。


「あたしが、殺されるんですか?」


「さぁ、どうなるかなぁ?」


先生は梨央の反応を楽しんでいるように言葉を濁し、口元を歪めて笑った。


その拍子に頬にぶら下がっていた肉片が落ちた。


梨央の視線が悠へ向いた。


悠がたじろき、弾かれたように教室から出て行ってしまった。


「投票時間までに戻ってこないと、星嶋と同じようになるぞ!」


先生の声が悠の背中を追いかけた。


投票時間外、つまり話し合いの時間から教室の外へ出ても大丈夫だと言う事だ。


「時間はまだある。話し合いも必要だけど、星嶋さんをあのままにしとくのは可愛そうだ」


そう言って席を立ったのは裕司だった。