それぞれの投票が終わった後、クラス委員の裕司が呼ばれて教卓に立っていた。


箱を開け、投票用紙を取り出して行く。


それから、『誰が殺すか?』と書かれた黒板の下に、投票結果を書き出して行った。


梨央10票。


星夜1票。


真奈美1票。


投票結果に真奈美が小さく悲鳴を上げた。


きっと、梨央と悠の2人が別の生徒に投票したのだろう。


だけど、それだけで覆るような票ではなかった。


梨央は青ざめて黒板を凝視している。


あんな映像を見れば、誰だって梨央に投票するだろう。


それでも、梨央は憎い相手を自分の手で殺したいとは願っていなかったということだ。