廊下へ出ると、先に目覚めていたのか数人のクラスメートたちの姿があった。


ネネ、サツキ、和がそれぞれ長椅子に座っている。


声をかけようかと思ったが、思いとどまった。


みんなの雰囲気がどこかよそよそしかったからだ。


そのまま隣の部屋に入って行くと、手前に梨央の姿があった。


「梨央」


「優衣……」


梨央がぎこちなくほほ笑む。


「ねぇ、梨央」


そう言って近づいた時、梨央のスカートの下の白い足が見えた。


そこには青あざが広がっている。


思わず凝視してしまうあたしに、梨央が慌てて足を隠した。


「梨央、まさか悠に……」


「そんなわけないじゃん。あんなのただの夢なんだから」


梨央が早口にそう言った。


明らかに何かを隠している様子だ。