「大丈夫よ。みんな無事だから」


お母さんはそう言ってあたしの手をさすってくれた。


「みんな……無事?」


そんなはずはない。


クラスで生き残っていたのはあたしと里子と大和の3人だけだった。


全員、死んでしまった。


「高谷。目が覚めたか?」


そう言われて視界の中に現れたのは先生だったのだ。


顔が半分崩れた先生を思い出し、悲鳴を上げる。


必死で逃げようとするものの、いろんな管に繋がれていて動くことができなかった。


「先生の幻覚を見ていたんでしょう? もう、大丈夫だからね」


お母さんの言葉にあたしは目を見開いた。


先生の幻覚?


お母さんは一体何を言っているんだろう。