里子は自分に票が集まるようにしているのだ。


里子の意図をくみ取ったあたしは、自分が情けなく感じられた。


3人で死ぬなら怖くないなんて、そんなのは甘えだ。


1人になるのが怖いだけだ。


「里子がその気なら、あたしも投票する」


あたしはそう言い、投票用紙に向かった。


白紙のそれに自分の名前を書いていく。


この3人の中で死んでもいいと思える人間は、自分くらいしかいなかったからだ。


あたしにつられたように、大和も投票用紙にペンを走らせた。


そして、2人してそれを投票箱へと入れたのだった。