「これが終れば、全部解決するのかな」


大和がそう呟き、窓の外を見た。


雨は随分と小降りになっている。


けれど投票時間も迫ってきていた。


あと10分ほどだ。


あたしたちは願うような気持ちで空を見つめた。


灰色の雲は少しずつ薄くなって行っているように見える。


太陽の光が雲を突き抜けて降り注ぎ始めている。


カタンッと音がして振り向くと、里子が投票用紙を持って立ち上がっていた。


「え?」


あたしは目を見開き、里子を見る。


里子はあたしに目をくれることもなく、木箱に投票用紙を入れたのだった……。