けれど、それに反応する生徒はいなかった。


先生の様子はどこかおかしい。


ヨロヨロと歩くだけでなく、首が直角に折れ曲がり、右足があらぬ方向に曲がったまま無理やり歩いているのだ。


途端に背筋が寒くなり、窓から離れた。


「大丈夫か?」


大和が支えてくれたおかげで、どうにかその場に倒れずにすんだ。


「あれ生きてんのかよ」


星夜が青ざめた顔でそう言った。


とても生きているようには見えない。


「ちょっと、校舎の中に入って来る!」


里子が悲鳴に近い声を上げた。


「歩けるってことは、生きてるってことだろ」


そう言ったのは裕司だった。


できるだけ冷静な判断をしようとしているけれど、顔色は青ざめたままで戻らない。