無表情のまま木箱を開けて投票用紙を確認していく。


黒板に書かれて行く文字はほとんど裕司に投票されたという結果だった。


裕司4票。


大和1票。


晴哉が未投票のままだから、これで全員分だ。


あたしはホッと胸をなで下ろした。


次の投票で晴哉が選ばれて、今回は終わる。


もうそろそろ雨が止んでくれないかと思い、窓の外を見た。


外はもう真っ暗になっていたが、雨は今だにふり続けている。


窓辺へと向かうと、校舎の下にはまだ沢山の人がいた。


暗闇の中懐中電灯の光があちこちに見えて、雨の中こちらを見上げている人たちもいる。


みんなここで何が起こっているのかわかってるんだ。


雨の魔物が下りて来たことをちゃんとわかってる。