映像はそこで途切れていた。


「最低な男ね」


彩がため息交じりにそう言った。


悠はもう死んでしまったけれど、死んだ後もここまで人を不愉快にさせる。


「梨央、大丈夫だったのか?」


大和が俯いている梨央へそう聞いた。


梨央は小さく、左右に首を振った。


「大丈夫なワケないじゃん……」


消え入りそうな声で梨央が言う。


「俺も悪いんだ」


そう言ったのは裕司だった。


あたしは驚いて裕司を見た。


今の映像を見る限りでは、裕司は悪者じゃない。


被害者だった。


「俺は梨央が裕司にどんなことをされているか知ってたんだ。助けたいって、ずっと思ってた。でも、なかなかできなくて……。俺はなにも気が付かないふりをして、梨央の言う通りに動いてただけなんだ」