梨央はグッと押し黙り、俯いてしまった。


「返事をしろよ!!」


悠はそう怒鳴ったかと思うと、梨央の体を海の方へと突き飛ばしていた。


4月頃の、まだ冷たい海に梨央の体がおちて行く。


それだけじゃなかった。


悠はそのまま梨央の頭を水面へと押し付けたのだ。


梨央がもがく。


「俺の言うことは絶対だ。お前に逆らう権利なんてない。わかったか?」


そう言いながら、梨央の顔を深く深く沈ませる。


そして一気に梨央の顔を引き上げると悠はニッコリとほほ笑み「返事は?」と聞いたのだった……。