「優衣、あんたもだよ。大和の気持ちに気が付いていながら無視するなんてひどい!」


真奈美の言葉にあたしはグッと言葉を失ってしまった。


その通りだった。


あたしはずっと大和のことが好きで、大和もあたしのことが好きだった。


きっと、ずっと前から互いにわかっていたことだった。


けれどその気持ちを伝える事で変わるものがあることが嫌で、なかなか言い出せずにいたのだ。


その結果、あたしと大和は色んな人を傷つけてきてしまった。


自分たちに勇気がないばかりに、真奈美の愛情を歪ませてしまったのだ。


「真奈美……」


あたしは真奈美の名前を呼ぶことしかできなかった。


教室の中から手を伸ばす。


けれど、その手は掴まれることもなく、投票時間が来てしまった。