「優衣!」


大和がすぐにかけてきて、あたしの体を教室へと押し戻した。


「優衣に手を出すな」


大和の言葉に真奈美がほほ笑んだ。


頬には涙が流れて行く。


「あたし、本当に大和の事が好きだった」


真奈美が震える声でそう言った。


「だけどやっぱり大和は優衣を選ぶんだね」


「……ごめん」


「謝らないでよ。その中途半端な優しさがダメだって言ってるでしょ!?」


真奈美が大和へナイフの刃を向ける。


大和は数歩後ずさりをした。


時間は刻一刻と過ぎて行く。


あと3分も残っていない。


「とにかく、教室に入って!」


大和の後ろからあたしは叫んだ。