「俺の親も来てる」


裕司が言った。


「島の人全員が集まってるんじゃないの?」


彩がそう言った。


そうかもしれない。


学校の外はどこまでも人がいて、カラフルな傘に彩られている。


そんな中、聞こえて来るはずのない母親の声が聞こえて来た気がした。


「優衣―!! 頑張りなさいよー!!」


そう叫んでいるように聞こえて、あたしはキュッと唇を結んだ。


お母さんが応援してくれている。


それはこの悪夢がまだ続く事を意味しているし、みんな助けに来ないということは、自分の力でどうにかするしかない事を意味していた。


「頑張れって応援してくれてる」


そう呟いたのは大和だった。


「大和にも聞こえた?」


「あぁ。母さんと父さんの声が聞こえて来た」