あたしは息を切らしながらそっとドアに手をかけた。


開かない。


「どうした?」


「開かないの」


そう言うと、大和が力を込めてドアを押した。


それでもドアはびくともしない。


「何してんだよ、早く開けてくれよ」


後から来たクラスメートがそう言って手を伸ばしたが、やはりドアはびくともしなかった。


「なんでだよ、鍵は開いてるのに」


チッと舌打ちが聞こえて来た。


確かに、ドアの鍵は開いている。


それなのにびくともしない。


「他の場所から出よう」


大和がそう言い、あたしの手を引く。


けれど他のクラスメートたちがすでに窓やドアを試していたようで、どこも開かないことがわかった。